Doctor’s Fitnessの健康経営

〜健康経営を支援する会社のホントのところ〜

Doctor’s Fitnessの健康経営について

私たちの事業ビジョンの根源にあるのは「医療」です。
医療とはなにか、を考えると狭義には診断と治療を中心とした「診療」と考えられます。

この診療に関しては、保険診療を中心とし、
株式会社Doctor’s Fitnessと同一の理念にて運営される、
Doctor’s Fitness 診療所にて実践されています。

では、広義において医療とはなにか、を考えると、
健康に関するお世話(Healthcare)であり、
保健、医療、福祉を含む幅広いものになるかと思います。

「医療とは医学の社会的適用である」と武見太郎さんが定義されていたのは、
個人的にも腑に落ちるものです。

「医学」を学んだ人の大半は、狭義の医療の世界や研究の世界で研鑽し、
素晴らしいインパクトを社会にもたらしています。

ここで言う、医学を学んだ人は、すなわち医師とは限りません。
武見さんが言及されている医学とは幅広いものと考えられます。

そのうえで、私のような、少し変わった医師個人が、企業という組織をつくり、
リーダーシップを発揮することで「予防医療」という広義の医療を行っていく、
というのは自分自身とてもわくわくする取り組みです。

私たちの、企業としての事業ビジョンは明確であり、
医療者としての社会貢献であり、その社会的インパクトの最大化です。

事業の1つの軸に「健康経営」があり、企業・個社の健康経営実践支援や、
行政・健康保険組合等の健康経営支援事業のサポートをしています。

医療者でしかできない、そんな部分があるのではないか、と思いながら、
何が正解か、何が社会的インパクトの最大化につながるのか、
手探りで実践を繰り返し、PDCAを回しています。

さて、事業としての健康経営支援に並行して、
自社の健康経営を実践していかなければなりません。
言うは易く、行うは難し、まさにその通りです。

私たちは、大きな組織ではなく、良くも悪くも、
宮脇大という個人の意向や色が大きく反映される組織です。

おそらく多くの中小企業は、創業者やトップの色が強く反映されると思いますが、
その代表格のような組織です。

また、より本質的でありたい、という思いも強くあります。

非常に抽象的ではありますが、
健康経営の実践において真に重要なことは何か、を常に大事にしています。

教科書、論文等の学術的な観点からエビデンスを理解し、
抽象的な概念を正確に捉えた上で、
自社の現状や、各社の事例、社会の潮流をふまえつつ実践に落とし込む。

この過程をwebにおいて公開することは、自分たちを振り返ることにもなり、
一方で誰かの役に立つものであれば、と思います。

Doctor’s Fitness 宮脇大

Doctor’s Fitnessの組織について

株式会社Doctor’s Fitnessと、
宮脇の個人事業としてのDoctor’s Fitness 診療所が存在します。

広義の医療を事業として行う組織と、狭義の医療を行う組織の2つに分かれています。

ルール上、株式会社の代表と医療法人の代表は同一人物にはなれませんので、
医療法人ではなく個人事業主としてDoctor’s Fitness 診療所を運営しています。

健康経営優良法人の申請においては、
株式会社Doctor’s Fitnessとしてのみ行っていますが、
診療所のスタッフにおいても同一の価値観を持って組織運営を行っていますので、
以下の公表においては組織全体としての過程を提示します。

また、Doctor’s Fitnessの理念に共感し、1人1人にとって働きやすい環境において、
それぞれができる範囲で最大限に組織への貢献をすることが望ましく、
直接雇用関係にある従業員(正社員、短時間勤務者)だけでなく、
業務委託という、直接雇用ではない関係性を選択し、
ともに理念を共有し業務を遂行する方がおられるなど様々です。

まさに、人的資本の変革(HCX)は、
雇用の流動性、新しい働き方を柔軟に組織に落とし込んでいくものと考えています。

健康経営組織(2025.9.30時点)

・役員 2名
・従業員 11名(産休中 1名)
・業務委託者 9名

【性別】男性 6名、女性 16名
【主な有資格者等】医師 3名、看護師 2名、管理栄養士 3名、健康運動指導士2名、健康経営EXアドバイザー 5名

健康経営実践における達成目標

【Goal】
スタッフ1人1人が、日々「謙虚さ、正直さ、そして何よりも信頼されることを大切にし、成長し続けながら業務を遂行している」と言える状態

【Key Goal Indicator (KGI)】
上記関連アンケート評価項目 平均 9.0以上(10段階評価)
達成年度:毎年

2024年度の健康課題とその対策

「十分なコミュニケーション」が健康課題として挙げられる。

従業員の勤務時間、勤務場所、業務内容がそれぞれ異なっており、
コミュニケーション不足に陥りやすい背景が存在する。

Slackを積極的に用いることで、非同期コミュニケーションを可能にしている一方、
Coexistence:同じ時間と場所を共有する取り組みも重要と考えており、
業務時間内に毎月1度のランチ会を行っている。

これにより、日常会話に加えて日頃お互いが負担に感じていることを共有し、
業務分担等が行いやすくなったという成果がある。

【ランチ会年間予算】
24万円(別途忘年会や送別会等の実施に関しては、業務時間外において全額会社負担)
※担当者は持ち回り

健康経営に関する取り組み

健康宣言について

全国健康保険協会大阪支部が実施する健康宣言事業に参加している。

健康診断の実施について

  • 経営者および従業員について、実施率は100%である。
  • 自己負担分は、すべて会社負担とする。
  • 健診受診時間は、出勤扱いとする。
  • 再検査の費用は、会社負担とする(上限10,000円、内服が処方されるなど治療開始時点で自己負担とする)
  • 再検査のための受診や、特定保健指導にかかる時間は、出勤扱いとする。
  • インセンティブについては、図書券500円の支給とする。
  • 健康診断に関する情報提供を行う。

がん検診の実施について

  • 厚生労働省の推奨に基づき、年齢・性別に基づき実施推奨を行う。
  • がん検診受診時間は、出勤扱いとする。
    胃カメラ変更にかかる費用は、初回のみ会社負担とする。
  • インセンティブについては、図書券500円の支給とする。
  • がん検診に関する情報提供を行う。

メンタルヘルスとストレス対策について

  • ストレスチェックを実施する。
  • 集団分析等については、少人数のため実施しない。
  • 良好なメンタルヘルス維持を目的に、ストレスに対する自己の向き合い方、自己肯定感・自己効力感に関するセミナーを定期開催する。
  • well-beingについて、専門家からの講義などを受ける機会を提供する。

※2025年度は、「禅」を学ぶ1泊2日の社外研修を実施。

ヘルスリテラシー向上について

ヘルスリテラシーの向上は、予防医療における0次予防である。

Doctor’s Fitnessの存在意義は、予防医療の社会実装を支援することであり、
スタッフが高いヘルスリテラシーを持てるよう教育を中心に支援している。

POSについて

スタッフの良好なメンタルヘルスの維持は、業務遂行においては非常に重要であり、POSについて学ぶ機会を提供する。
※2025年度は、POS測定を実施し、試験的にEisenberger氏の論文における36項目を利用した。その数値の推移については、試験的測定のため数値目標は設定せず、実施結果においてディスカッションをすることとした。

適切な働き方について

(仕事と育児または介護の両立支援を含む)

法令遵守については特にここでは言及しない。
多様な働き方に応じた契約を行っており、その上で以下のような工夫を取り入れている。

  • 週1からの勤務可
  • 子育て、介護等の業務外の事情に関しては、個人の判断で業務より優先可
  • 子育てや介護といった事情以外において、推し活等(コンサートやスポーツ観戦など)に関して、自身の人生を豊かにする事情を当然含む。
  • 上記に関して、突然の業務時間短縮や欠勤可
  • 残業に関して、事前申告等は必要とせず、自身の裁量に委ねる。時間外労働の削減や適切な水準の維持については重要と考えられ、業務量については適宜判断し、過重労働につながらないような配慮は行う。
  • 時間外に関しては、1分単位で給与支給する。
  • 年次休暇については、時間単位での取得を可能とし、任意である。また法令遵守の点からも全日取得できるような配慮を行っている。
  • 各自の事情に応じて、時差出勤、在宅勤務等を認めている。
  • 各自、がん等の私病に関しても両立支援の観点から、上記の観点を含み支援体制を構築している。

従業員の健康保持・増進について

(女性特有の健康課題支援を含む)

  • 婦人科がん検診を始め、女性に多く見られる疾患・症状に対する検診項目への金銭補助、および就業時間認定、生理休暇を取得しやすい環境整備、健康リテラシー向上の取り組み、相談窓口などの環境整備(0次予防)を行っている。
  • 高齢者については、現在従業員がいないため設定はしてない
  • 生活習慣の改善に資する取り組みとして、Doctor’s Fitness 診療所が行っている生活習慣改善プログラムを提供している。運動機会の創出については、フィットネスジムに通うための金銭補助を始め、ヘルスケアアプリの提供などを行う。
  • 長時間労働に関する取り組みについては、面談・指導のシステムを構築している。出社制限や時間外労働の制限などは行っていない。
  • 心の健康保持については、相談窓口の設置や個別面談といったシステムを構築している。自身でセルフケアができるよう、マインドフルネスに関するアプリを提供するなど支援を行っている。実際に不調者は現時点でいないものの、制度として、Doctor’s Fitness 診療所が外部EAP機関との連携やリワークプログラムとの連携があるため、不調者に対する制度システムを構築している。
  • 感染症予防については、インフルエンザを始め各種予防接種を実施、費用補助を行っている。感染拡大時に活用するBCP策定を行い周知を行っている。また0次予防としての環境整備を行っている。
  • 喫煙者は0であるが、リテラシー向上にむけた教育を行っている。また、制度として禁煙支援等については禁煙アプリの提供などを含めた支援策を策定している。