触れる情報は取捨選択しないと危険!
聞きなれない言葉ですが、現代病の一つに「ドゥームクローリング」があります。
これは、気分が落ち込んでいるとき、SNSなどの媒体からネガティブな情報を延々と取り入れてしまう行為を指す言葉です。
パンデミックや不安定な社会情勢などの不安定な社会背景の中で増加し、メンタルヘルスに思わぬ長期的な影響を与える現代病であると懸念されています。
その語源には、「破滅に向けて転がりゆく」という意味があります。
現代は、自分達に関係のない芸能人のスキャンダルから、心を傷めるような事件事故、希望の持てなくなるような政治経済に政界情勢など、日々を取り巻くネガティブな情報で溢れていますよね。
このような情報に振り回され、メンタルヘルスを損なう様は、まさしく破滅に向かっていく操り人形のようなものと言えるかもしれません。
もともと私たち人間の脳には、ネガティブな情報に強く反応を示すような、本能的仕組みがあります。
それは、危険なものから身を守るための役立つ情報を集め、緊急事態に備えるという自己防衛を行うためでした。
本来は危機を回避し、安全に生きるために必要であった機能ですが、現代ではこの機能を利用し、意図的なメディア戦略として活用されることが当たり前となりました。
それは、一種の洗脳状態に近いものがあります。
日々膨大な情報に飲み込まれ、その中で重要かもしれない情報を見逃してはいけないという恐れや、情報社会の中で取り残されてしまうかもという不安などによって、駆り立てられるように情報を得ようと行動する人が多いのが現状です。
こうした行動を起こすことで安心するかと言えば、実はそうでもありません。
ネガティブな情報に触れることを繰り返せば繰り返すほど、無意識の不安や悲観的な思考は強化されていきます。
人には、自分が注意を向けた情報が知覚されやすくなるという脳の仕組みもあるため、不安や悲観的思考が強くなると、さらに自分を不安や悲観的にさせるような情報に触れやすくなります。
そのため、ニュースやSNS等でネガティブな情報ばかりに触れているという自覚がある人は、日頃の気分や言動が、ネガティブな方向に引っ張られていないかを意識してみる必要があるでしょう。
情報をかき集め、人や社会を批判したり、「自分達は悲惨な時代の中に生かされている被害者だ」などの意識があるのであれば、あなたはドゥームクローリングを患っているかもしれませんよ。
ドゥームクローリングに陥らないために
●「何のために」を考える
もしもあなたが、多少なりともドゥームクローリングの自覚があるのであれば、まずは自分が何のためにネガティブな情報に触れ続けているのかを考えてみることが大切です。
「社会人として」とか「常識として」等のような、表面的な理由は要りません。
ネガティブな情報に触れ続けることで、自分自身にどのようなメリットがあるのか、自分が幸せや喜びを感じられるのか、冷静に自問してみる必要があります。
あなたにとってメリットのある行動でないのならば、情報を探そうとするのは辞めましょう。
●デジタルデトックスに挑戦する
情報収集を辞めてみようと思った方におススメするのは、デジタル機器との付き合い方を見直すデジタルデトックスです。
これは、テレビやスマホ、パソコンなどのデジタル機器を一定期間使わないようにすることで、脳や心のストレス軽減を目指す方法です。
仕事などでデジタル機器を使う場面は多いかと思いますので、例えば寝る前の1~2時間前からはデジタル機器を使わないようにしてみたり、スマホを持ち歩かないようにするなど、自分が出来る範囲から試してみると良いでしょう。
●自然に触れる
情報機器の進化等に伴って、人は身の回りの自然を感じる機会が圧倒的に減っています。
人もまた自然に活かされている動物の一部であるわけですが、現在は自然と切り離されて生活している状況です。
自然に触れることが不安を和らげる効果があることは、様々な研究の中で明らかになってきています。素の自然体な自分に戻るためにも、豊かな自然を活用してみることがおススメです。
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