正義感は争いを生む

2024.2.22

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正義感が争いを生む理由

私達は日々様々な情報に触れています。

政治や芸能ニュースだけではなく、SNSの普及によって、日常に潜む小さなルール違反行為までもが広く拡散される世の中です。




そうした中で、ルールや常識に違反することを行った人や倫理的に逸脱した人を見つけ出しては、容赦なく叩く行為が横行しているように思えます。

匿名性の高いネット社会では、特にそうした傾向が顕著にみられていますよね。

まるで、日常の中に不正やルール違反が起こっていないか、個々人が監視の目を光らせ、パトロールしているかのようです。

直接ネットのコメント欄に批判や誹謗中傷を書き込むようなことがなくても、「この人たちは頭がおかしい」「絶対に間違っている」「こんなことするなんて許せない」などと思うことは、誰しも心当たりがあるかもしれません。




こうした傾向が高まる根底には、常識やルール、倫理観というラベルを貼り付けられた「○○であるべき」という思考や価値観が強く影響しています。

常識・ルール・倫理観などを大義名分として振りかざす事で、自分が正義となり、逸脱する人を悪とみなす対立構造が立ち上がるのです。




「○○であるべき」を遵守しようと目を光らせる自分は正義で、それらを破った悪人は裁かれて当然なため、正義である自分が非難して裁いても良いとすら思ってしまいます。

幼少期に見た「正義のヒーローVS倒されるべき悪人軍団の争い」が、大人になった今でも繰り広げられようとしているということです。




こうした単純な正義と悪の争いによってハッピーエンドになるのは、大概物語の中だけです。

現実には、私たち一人ひとりの中に光もあれば闇もあり、「○○であるべき」を守れる自分もいれば、守れない自分だって存在しています。




そして、常識・ルール・倫理観などに沿った「○○であるべき」という正義の基準は、簡単に入れ替わります。

時代や社会背景、文化など、様々なものによって左右されるため、絶対の正義や悪は存在しません。

正義だと思っていたものが、今度は悪とみなされることもあるのです。

正義や悪といった思考を止めない限り、形や立場を変えて闘いは繰り返され、より激化して、日々の規制は強まります。




本当の正義があるのかどうかは分かりませんが、少なくとも私達はいついかなる状況においても絶対に正しい判断をする人間にはなれません。

そのため、自分は「誰かを非難し裁く正義のヒーロー」にはなれないということを、自覚しておく必要がありそうですね。




ただ意見が違うだけという事実


自分とは合わないと感じる意見や考え方をする人達は、必ず存在します。

そうした人達と関わる際に気を付けたいのが、価値判断を挟まず、事実だけを認めるということです。

自分や相手の意見に対し、正しいや間違っているという価値判断は不要ですので、「ただ互いの意見や考え方が違うだけ」とシンプルな事実を認めましょう。




どちらか一方が正しく、他方は間違っていると考えるのは、上記で述べた正義と悪の対立構造を作り出す種になります。

相手を言い負かし、自分の意見に賛同させようとすることも同じです。

言い負かす必要はなく、必ずしもあなたの意見に賛同してもらうよう必死になる必要もありません。




人はそれぞれが信じたいものを信じ、自分が変わりたいと思うタイミングで変わります。

今は互いに意見や考え方が合わなくても、いつか合うようになることもあれば、今は同じような意見・考え方を持っている人でも、それらが合わなくなっていくこともあります。

今の自分にとって正しいと信じていたことが変わらない保証など、どこにもありませんよね。




だからこそ、自分が大切にしたい意見や考え方はあってもいいですが、それにずっと拘り続ける必要もありません。

正解や優劣のない無数にある意見や考え方の中で、今の自分が採用している一つの選択肢にすぎないのです。

そのように受け止められるようになると、人の意見も同じように、無数の選択肢の中で相手は自分とは違うものを選んだのだなと認めやすくなりますよ。






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