話をしている相手が涙を流し始めた時、「どうしよう」と困ってしまった経験はありませんか?
相手が泣くと困ってしまうという方は、泣いてる相手を「どうにかしなければ」と考え始めます。
そうすると、「泣かないで」と泣き止ませようとしたり、「泣いても解決しないよ」と無理やり現実に引き戻そうとしてしまうかもしれません。
けれど、泣くことは悪いことでも、どうにかしなければいけないことでもありません。
嬉しい時に笑顔になるのと同じように、感情がこみ上げた時に涙が出ることは、人として自然な反応です。
あなたなら、嬉しいことや楽しいことがあって笑っている人に,「笑わないで」と言うでしょうか?
おそらく言いませんよね?
相手が笑顔になるのは困らなくても、泣かれるのは困るというのは、実はとてもおかしなことなのです。
泣くことを止められた側としてはどうでしょうか。
自分が泣いたせいで相手を困らせてしまったと感じ、よけいにつらくなるかもしれません。
自分の思いを相手に分かってもらえなかったと感じ、信頼関係が築きにくくなったり、素直な思いを表出しにくくなってしまうかもしれません。
だからこそ、相手が泣いている時、あなたが特に何かをする必要はないのです。
相手の反応に任せ、自然に泣かせてあげるようにしましょう!
相手が泣くと困ってしまうのはなぜ?
そもそも、目の前で人が泣いていると困ってしまうのはなぜでしょう。
泣くことは自然なことで、別に何も問題が無ければ、どうにかしないといけないと思う必要はないはずです。
ですが、そう思えない人もいます。
そのような人は、泣くことに対する制限や思い込みを持っている可能性があります。
このような言葉を、親や周囲の大人、友達などに言われたことはなかったでしょうか?
あるいは、人が言われている場面を近くで見ていませんでしたか?
自分の言葉で誰かが泣いてしまい、それを見た周りに何か言われたりして、嫌な思いをした人もいるかもしれません。
状況や経験は人それぞれのため、他にも様々なパターンがあるかと思います。
そうした経験が心の傷になると、泣くことに否定的になったり、マイナスな意味づけがなされてしまいます。
そして、泣いてる人を見ると、自分の心の傷が無意識にうずきだし、「なんとかせねば」となるのです。
実際に、泣く人を見るとイライラしたり、困ってしまう人の相談を受けていると、たいてい相談者さん自身が、泣くことを否定的に受けとめている場合が多くあります。
「泣いて良いのは、一生懸命頑張った人だけ」とか、「自分には泣く資格がない」とか、「泣いて逃げようとするのは卑怯だ」とか…。
自分自身を制限する思い込みのオンパレードですが、生きてきた過程の中で、こうした思い込みが作られる元となった悲しい経験があるということです。
けれど、冷静に考えてみて下さい。
一生懸命頑張った人だけしか泣いてはいけないなんて、そんな法律やルールは存在していません。
泣くことに資格がいるなんて、聞いたことがないですよね。
そんな資格を取得できるところがあれば、ぜひ教えて欲しいものです。
そして、必ずしも「泣くこと」イコール「逃げること」「卑怯なこと」ではありません。
もし仮に、現実から逃げるために泣くという手段をとったのだとしても、それ自体が悪いのではなく、ただその人が現実と向き合えず、成長できるチャンスを逃しているだけです。
私達が目の前の状況に心揺さぶられるのは、心の中に自分を縛り付けたり、傷つける思い込みが隠れている証拠です。
あなたが泣いている人を前にして困ってしまうのであれば、まずは自分を縛り付け傷つける思い込みを見つけて、緩めてあげて下さいね。
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