普通の人とはどういうことか

2023.7.27

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あなたは普通の人でしょうか?

あなた自身、あるいは周囲に、「普通というのがよく分からない」、「自分は普通じゃないから普通になりたい」と言っている人はいませんか?

私達は日常的に普通という言葉を多用しますが、ふとした場面で「自分は普通じゃないかも」という思いが浮かんでくることもあるかと思います。

では、そもそも普通とは何でしょう。

その答えの一つが、普通であることはマジョリティ(多数派)で、普通でないことはマイノリティ(少数派)であるということです。

つまり、単に数が多いだけということですね。



私達は、普通であれば、それが正解で安心と考えがちです。

しかし、実際は決してそういう単純なことではありません。

つまり、普通であるということが正しいとか、正義であるとか、正常であるというわけではないということです。


それにも関わらず、普通であることが当たり前で、正常であるかのようにみなしてしまう風潮があります。

そのような意識が差別に繋がり、少数派の人を苦しめてしまうことは、日常的に起きていることです。

そのため、もし自分が多数派で普通と思っていても、「普通であることに重要な価値や正義があるわけではない」ということに気をつけたいところですね。

では次に、普通と言われる人達に、どのような特徴があるのかを見ていきたいと思います。

普通の人が抱える障害

ここでは普通の人を、通常の発達段階を踏んできた人達と言いかえてみます。

多数派の通常発達をしてきた人は、どのよな特徴を持つ人達なのでしょうか。

ここに、アメリカの自閉症協会が定義した、おもしろい資料があります。

それによると、通常の発達をしてきた人達は、以下のような傾向を持つ人とされています。


これは、なかなか痛快な指摘です。

身近なことに当てはめれば、なるほどと思うことも多いでしょう。

●「嘘も方便」や「自分や相手のために」と言って、真実をそのまま伝えない。

●自分の役割や立場を守りたくて必死になった結果、人を傷つけてしまう。

●流行に敏感で、自分の好きなスタイルよりも、今の流行を基準に考えがち。

●皆に合わせようとして没個性的になる。

●空気を読み、その場の雰囲気や暗黙の了解に従って行動するが、詳細なことは分かっておらず、後で困る。

●自分がしたいかどうかではなく、社会的な習慣だから従う。


●自分が知りたいかどうかではなく、社会で起きていることだから知らないといけないと、ニュース情報にかじりつく。

この様に見てみると、通常の発達と呼ばれるものが、果たして理想的なものなのだろうかと、首をひねりたくなりませんか?

逆に、いわゆる自閉症スペクトラムや発達障害と呼ばれる人達は、以下のような傾向があります。


このように見ると、通常発達と呼ばれる多数派の人たちと、発達障害と言われる少数派の人たちの特徴は、正反対のものが多いですよね。

だからこそ混乱や問題が生じてくるわけですが、これはどちらかが「良い・悪い」や「正解・不正解」というものではありません。

しかし、人は多数派であることを「良いこと、正しいこと」と考え、少数派の人を、「異常だ、おかしい」と判断してしまうことがあります。

通常発達の人だって、見方を変えれば十分異常です。

むしろ、少数派の発達障害の人達からみたら、多数派の通常発達の人の方が、理解不能なおかしな生き物と思えるでしょう。

今回は発達という側面から見ましたが、これはセクシュアリティの問題や、宗教の問題も、根底は同じです。


そのため、まずは、「普通であることが正しい」というおとぎ話を疑いましょう!

「普通という立場は簡単に入れ替わる、脆いもの」であることも受け入れていきましょう!

そして今後は、「普通」か「普通でない」かという判断そのものを手放し、それぞれの違いを自然なものとして受け入れることを目指せるといいですね。


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